曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

銀杏の木は葉を落として。

警備員を置く予算がなくなって、
教員が順繰りで「鍵当番」をする。
朝7時前に登校して門扉と各校舎の入り口を開けて回る。
ペアを組んでいるのは国語科の先輩のM先生。
西門の前で銀杏の木を見上げて、
「木っていいねえ。この木いい感じだわ。」
私も見上げて答える。
「木っていうのは人が生まれる前からあって、死んだ後にもあるんですねえ。」
M先生が笑った。
「死んだ後って。」
ああ、笑うんだ。
私はM先生もそう考えているのかと思っていました。
そうですね、もっと前向きに生きていこう。
もっと生きるエネルギーが豊かであればいい。
あれもしたいこれもしたいあそこにも行きたいここにも行きたいと考えられる豊かな人になりたい。
私は今、雪の積もった木々の植わった森に行きたい気持ちでいます。
こういうセンチメンタルにつき合わされるのはあまりいい気持ちではないんだろう。
ビールを飲んだのでそのへんの判断はつきかねます。