曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

FREUDE!

大学時代合唱にうつつを抜かしていたことは何度か書いたが、
合唱をやっていてわかった一番大切なことは何かというと、
「正しい自己主張は他人のためにもなる」ということだった。

もちろん合唱なのでこの場合の「正しい自己主張」というのは「美しい歌声」である。
思春期の私は、目立たないこと、謙虚であることを切に志していたが、
目立つ声であっても美しければ問題はない、
それどころか演奏自体に貢献できる、
ということに歌いながらやっと気づいたのだ。
いやその気づきはそれほど簡単なものではなかった、
中学時代から歌い続けて7~8年経って初めて練れた声がボリュームを伴って出始めた、
その時初めて体で知ることができた、それほどの、私にとっての真理だった。

大人になればなるほど「引くこと」の「気楽さ」を覚える。
特に女性は長い間の柔らかいインプットにより、
普通に過ごせばいつの間にか「身を引いて」いる状態だ。
けれど私はある分野においては決して引かないことにしている。
それは例えば演劇だ。
「身を引くこと」の美徳よりも、
引かなくていい「正しい」自分でいる努力を選びたい。
生徒を愛するということが教員の喜びのすべてではない。
「練れた声」を持っていたい。
進歩していたい。
自分に誇りを持っていたい。
それが私の喜びだ。