曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

話のオモシロイ人。2。

秋葉原の事件についてのコラムで「強い自己愛と他者への鈍感」という表現が印象に残ったので、
それって最近の高校生にも言えるかも、みたいなことを職員室で話していたところ、
「話のオモシロイ」M先生がえらく黙って聞いているなとは思っていたのだが、
「その現代人の問題について、私にも思うところがありましてね、」みたいな、
いかにももったいぶった口ぶりで、独壇場が始まった。

「現在、何でも『二極化』が進んでいるわけじゃないですか。」と、M先生。
「ああうん。」と、みんな(5人くらい)。
「その『二極化』が人を不幸にしている。この『二極化』の、間を埋めていくことが大切なわけなんですね。」
「ふんふん。」
「この『二極化』はいかにして生まれたか、それは、『意識』するからできてしまったわけなんですよ。」
「ふうん、じゃあ、意識しなければ二極化は埋まるんですか?」と、私。
「そう!意識しない!これをね、『無意識の幸福』と呼ぶんです。意識するから不幸になる、無意識の幸福、これが大切!動物はみんなこれを持っている!だからリスとかカリカカリカリいつまでもなんか齧っていられる!」
「ふんふん。」
「だから人間もこれを持つようにするべきなんですよ。では、どうしたらこの『無意識の幸福』を手に入れられるか!」
「どうすれば手に入れられるんですか?」と、襟を正して、私。
「この続きは!」
「また明日とか言わないでくださいよ。」と、私。
「この壺を買っていただいた後で。」

もう1年のシマ、ちょっと職員室では考えられないくらい大きな声で笑ったと思う。

「早よ言えや!」と、私。
「あ、ホントに怒ってらっしゃる?」と、M先生。
「この続きはないんですか?」
「この続きは、明日、私が続きを考えた後で。」
「『無意識の幸福』ってのは誰が言ったんですか?」
「あ、それは私が。」

まあ職員室も暗い話題が多くて、
大笑いしてみんなちょっとカタルシスがあったようだ。
それくらい高く、長く笑った。
それにしてもこの人、詐欺師とか教祖とか向いてますよ。