曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

「合唱」と「演劇」と。

私は国立文系クラスの副担任をしている。
このクラスの担任は、私の大学時代の後輩に当たる。
まさかこんなところで再会するとは。
大学時代は二人とも合唱団に所属して、歌に命を懸けていた。
本当に、命懸けで歌っていたのだあの頃は。

「あの4年間を、何と表現していいかわからない。」と、
何かの拍子に彼は言った。
彼は指揮者をしていた。
私は三つ上の代の副団長だった。
団員は100名を優に越えた。
どうすればよい合唱ができるのか、
どうすればコンクールで評価されるのか、
それにしても仲間と歌い、歌について語ることは、どうしてこんなにも楽しく切ないのか、
大学4年間その間中、合唱に、まさにうつつを抜かしていた。

「楽しかったということですか?」と聞くと、
少し間をおいて、
「そうですね。」と答えた。
ふと思いついて「今とどっちが?」と尋ねると、
また間をおいて、
「あの頃です。」と答えた。

「私は今の方が楽しいかもしれない。」と言うと、
「ああ、そうでしょうね、そうかもしれない。」と頷いていた。
「今は責任がありすぎて。」とも言った。

そういう人生もある。
そんな人生も楽しいと思う。

それにしても、
合唱について書いてて思ったんだけど、
私はあの頃から全く進歩していないんだな。