曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

素晴らしい舞台をたくさん観ました。

私とて、
台風には備え、
講習会と講評を断念して「やくも」に乗り込んだのではあった。
しかし既にして「しおかぜ」は運休、
ケータイを借りて翌日の補習の手当てをお願いし、
旅行会社に泣きついて旅館を探してもらいながら、
「なぜ午前の段階で交通手段を確保して帰って来なかった!」と教頭から怒鳴られたらば、
「そのころ私は舞台を観て泣いておりました。」とでも答えるしかないかなと思っていた。
運休のことなど思いもつかず最後まで観劇できたのは幸いだった。
そう思えるくらい、今年の全国の舞台のレベルは高かったのである。

青春も終わりかと思う頃、
別に若い頃着ていた服が似合わなくなったわけではなかった。
ただ、もっと若い女の子たちが自分とは違う種類の服を楽しげに着ているのに気づいただけだ。
今年の大会は少しそんな感じがした。
「自分とは違う種類の服」は彼らにとても似合っていたし、
「自分の好きな服」が何かを思い出させてくれさえした。
ああそうだよね、そうだよね、と思いながら観ていた。
高校演劇劇作研究会のS山先生から、
「今年は傾向が変わりましたね、じっくり観せる劇が多くなって。」というようなことを言われた。
してみれば、今大会のレベルが高かったのではなく、
私の好みに合う作品が多かったとでも言うべきか。

大会によっては、
なぜこんな作品が全国に出場しているんだろう、と思われる舞台がかなり多い時もあったのだが、
今年はそれは少なかった。
入賞しなかった舞台にもずいぶん泣かされ、感心させられた。
そして入賞作品には心から感動した。
自分が出場している時にはわからないことがある。
台風で一日延びた旅程の中で、
私はいろんな舞台を反芻して幸福な喜びにぐったりとしていました。