曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

「すごい」読書家。

県大会の上演当日、
やっぱり早朝5時に起き出し、
去年のように山の中腹の駐車場で柔軟発声をするつもりが、
前夜の雨で足元が悪く、
空模様もまだ怪しい。
しかたがないんで生涯学習センター内のコンクリの駐車場にぞろぞろと向かう。

真っ暗な中をぐるぐる駆け足、
小さな音で音楽をかけてちょっとダンス、
それからハミングを始める。
発声するには周囲が気がかりなのでまだしもマシそうな生涯学習センターのどん詰まりに場所換えして、
山の下側に向かって6時を待って発声開始。
でも民家がちらほらあって気になる。

生徒が発声している間、越智と話した。
「あの家、人住んでるのかな。」
越智は笑って答えた。
「どう考えても住んでるでしょう。」
「うるさいってどなりこみに来たらどうしようか。」
「たかだか10分ですよ。どなりに来たら終わってますよ。」
どなりに来たら私が対応しなきゃならないな、
と覚悟を決めてしばらく生徒の出す大声を聞いていると、
例の「あめんぼあかいな」が始まった。
これが始まるともう終わりに近い。
あとちょっとだ。でもそろそろ来るかな。(実際8年とか前、どなられたことがあったんで。)
すると、
「あめんぼあかいなアイウエオ」に続いて越智が、
「イェイ!」と叫ぶではないか。ちょっと!

「うきもにこえびもおよいでる」
「ヘイ!」
「かきのきくりのきカキクケコ」
「ヨー!」
「きつつきこつこつかれけやき」
「チェケラ!」

私はとうとう呆れて笑った。
彼はそれから先も「オーケー!」だとか「レッツゴー!」だとか、
最後は「メリークリスマス!」に「ハッピーニューイヤー!」まで出て来る始末で、
なんと結局最後まで合いの手を入れ続けたのであった。
後に聞いたところによると、
「6個目くらいでネタが尽きたんで後は適当」だったのらしい。

彼をすごいなあと思うのは実はこういう時なんである。