曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

ライオンキング!(春季全国報告その4)

初日24日、
私は「岡山新幹線乗換え8分」という強行軍のために、
朝の段階ですでにその日分の体力を根こそぎ使い果たしていた。
あそこまで全速力で走ったのは何(十)年ぶりだ?
どうも体が生命の危機を感じたらしく、
それからの私は何事にも最優先して眠った。
というか、あんまり居眠りなどしないタチなのに、
スキあらば眠りに落ちてしまうのだった。
新幹線に乗り込むとただちに団券を手にしたまま眠り込んでしまったため、
団券が手から座席下にすべり落ちてしまったらしく、後からひと騒動あった。
その騒動の間も私は半分眠っていた。
(越智君本当に迷惑をかけました。)

山手線を浜松町で下りると、
階段降り口上いっぱいが「ライオンキング」の看板である。
例のライオンの絵の上に「息が止まるほどの感動」と大書してある。
劇団四季さんのご好意で、
各上演校はなんと1本四季のミュージカルをタダで観せてもらえることになっているのだが、
私たちはその「ライオンキング」を観ることになっているのだ。
「息が止まるんやって!」とみんな口々にささやきあい、
期待に胸を膨らませながら、一路、劇団四季自由劇場へ。

楽屋で待つこと30分、
その間も強い眠気が襲ってきた。
大道具が届いたので搬入口へ。
そこに舞台袖から劇団四季スタッフ・O崎さん(女性)が現われて、
「そのへんに置いときますか。」みたいなことを言ってまた奥に引っ込んだ。
かっこいい。
劇団四季は、スタッフまでかっこいい。
その後出てくるスタッフ出てくるスタッフみんなかっこいい。
また楽屋へ移動。
眠くて眠くてたまらない。

「ライオンキング」開場時間になった。
ものすごい人波の中を「劇団四季・春」の劇場へ。
窓口を見るともう何ヶ月も先まで予約がいっぱいだ。
それからなんてチケットが高いの。これホントにタダで観ていいの。私たちよくぞ2位に入ったの。そしてなんで今日という日にこんなに眠いの。
座席に着くと、案の定私は深く眠り込んだ。
そして、起きた。

芝居が始まったのだ。
マントヒヒ役の女性のあまりの声量に驚き、
オーケストラピットからの生演奏に圧倒され、
せり上がる舞台、その高みにたたずむライオンキング、
袖からゆっくりと現われるキリンたち、
客席からゆったりと舞台に登る巨大な象、
袖から、客席から、舞台を目指し、ライオンキングの下に集まってくる、あまりにも美しい百獣の群れ。
ものの5分のオープニングで、
全員がいきなり興奮状態になった。
客席は万来の拍手に包まれた。
私は、拍手しながら、笑っていた。
隣を見ると、越智も笑っていた。
もう、笑うしかない。
なんだろうこの感情は。
多分、嬉しかったんだと思う。

短い暗転のたびに眠りに落ちたが、
芝居が始まるたびに起きた。
筋は、まあ、ライオンがキングになる、というものなのだが、
ここまでスケールが大きいとそんなことはどうでもよかった。
5時半から8時半のまるまる3時間、堪能した。
生徒たちもいかに感動したかを口々に私に報告する。
帰る道々、私たちはみんなライオンキングの登場人物(獣?)になっていて、
シンバやムファサやザズーの口真似、
あの歌この歌を歌いながら歩いた。
嬉しかった。
こんな思いをこの子たちにさせてやれて本当によかったと思うと、
そのことがまた嬉しかった。
ホテルに帰るとリハの指示をすませ、今度こそ私は深く眠った。

劇団四季はスタッフ陣もかっこいい、と思ったのだが、俳優たちの美しさはまた別物だった。
東京にはキレイなものがいっぱいあるなー。
息が止まるほど感動しました私たち。