曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

わけのわからないアドバイス。

「ホット・チョコレート」では、
「舞台ではもっとわかるように泣かないと、泣いていることが伝わらないものなんですよ。」
というようなことを書かれたし、
「七人の部長」では、
「後ろを向いて話すと、観客にお尻を向けることになりますよ、舞台の基本です。」
みたいなことを書かれた。

どちらも大会後の模造紙への感想であるが、
ああいうのはどういう人が教えてくださろうとしているんだろう。
もしか、生徒ではないかとも思えるが、
何の根拠があって自分の考えを絶対だと思うのか、
そこのところが私には素直に不思議だ。
私なら絶対書かない。

私は演劇を始めたのが30過ぎてからだったので、
自分の経験の浅さを自覚していた。
そこで演劇をする上で湧いてくるおびただしい疑問の数々は、
必ず私以外の誰が答えを知っているものだと思って芝居を創っていた。
だから周囲からのアドバイスをハイハイと聞いた。
私以外の言うことは皆正しいと思っていた。
そしてある日あまりにも理不尽なアドバイスを受けた。
天啓を得た。
「もしかしたら『答え』というものは、誰も知らないものなんじゃないか?」

「どうでもいいことは流行に従い、
 重大なことは道徳に従い、
 芸術は自分に従う。」

だから私に向けられるアドバイスは、
それが私にとって正しいかどうか私の中で考えられてから行動に移されます。
考えてみれば当然のことでしたね。