曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

この界隈のこと。

このあたりは古くからの住宅街で、
しかし最近はマンションの建設ラッシュである。
暮らしやすいいい町で立派な家も多いのだが、
それだけに最近は家や土地の維持費がもたずに手放す人も多いみたいだ、と同僚が噂していた。
その土地を買ってマンションがぼんぼん建つ。
昔から住んでいる人々がこのことを快く思ってないのは想像がつくし、
おそらく私が住んでいるこのマンションのこともさぞやみんな苦々しく思っていることだろう。
それは悲しいことに同じマンション族にも言えることで、
このマンションが来るまではそんな苦々しさを一手に引き受けてくれていたであろう向かい側のマンションも、
南側真ん前の視界をこのマンションに遮られたんだから必ずうんざりしているはずである。
そしてもちろんそれは私の住むこのマンションとて例外ではなく、
2年前に入居した時から思っていた、
この窓から広がる南側の素晴らしい眺めは、
次にこのマンションの南側に高い建物(おそらくマンション)が建設されるまでのものなんだろう、
それまでに愛しておこう、
この毎朝の緑の木々や小さな家々、
毎夜の遠くのビル群のきらめく灯り、
ベランダに洗濯物を干すたびに呼吸できるこのすがすがしい空気と誰にも目にされない心安さをと。
そう現在このマンションの南側には昔からの家々がちんまりと並んでいるだけだ。
さて最近とうとうその南側の家の中の二つが空き家になってしまっていて私としては気になっていた。
私などの知らないうちにすでに土地の買い取りは進みつつあって一軒ずつ立ち退いていくのであろうか、
そしてその跡に高い建物(おそらくマンション)が建築されるのであろうか。
いつだったかここに書いたことのある道を隔てた隣りのおいしいパン屋さん、
これも南側にあるのだが、
その隣の家は空き家の二つの中の一つで先日来大きな音を立てて取り壊されていたのだが、
さてここ数日で取り壊しとは別の様相を呈してきた。
つまり、土台を建て始めた。

跡地に新しい家を建てるみたいだ(!)

というわけで現在他人様の家の建つのをひっそり熱烈に応援しているような次第です。