曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

ゆうぽうとでの練習。(春季全国報告その6)

劇団四季の「ライオンキング」、それはまさに「ハレ」の舞台。
素晴らしすぎて笑ってしまうほどの、翳りのなさ、美しさ、それを通り越して縁起がよい、、結構だ、おめでたいくらいの域に入る。
そう、「めでたし」という古語は、もともとこういう事態を指す言葉だろう。
東京初日、私たちはこの洗礼を受けて幸せの日々の門を開いた。

さて翌朝、私たちは私たちなりにリハをすませて問題点を洗った。
本番までは1日半ある。
ホテル「ゆうぽうと」の部長の部屋で練習する。
この「ゆうぽうと」、別に宣伝するわけじゃないけど、食事がものすごくおいしかった。
今でも記念館で、「東京、楽しかったねー。」と言うと、
ゴハンおいしかったですー!」とみんなが口をそろえる。
みんなは朝食のバイキングがおいしかったと言うけれど、
私はそれもそうだったけど、夕食がハンバーグとかじゃなくてとても凝った大人の味で、普段すぐにおなかがいっぱいになってしまう私などにも満ち足りて食べられる皿がそろっていたことが嬉しかった。
まあ食事の話はそのくらいにして。(あ、デザートが必ず出るのも嬉しかった。)

ホテルでの練習は、暑かった。
一つの部屋に5、6人ぎゅっと集まって練習するのだから当たり前だ。
「さあ、始めようか。」
「声、出してもいいんですか。」
昼間なので、「いいよ。」と答える。
さっきまでの受け答えと全く違う声が彼女らの体から発せられる。
壁がびりびりと震える。
少しの指示で、まるで見事にそうしてほしいと思っていた演技が現われる。
2年間、ああしろこうしろと当たり前のように要求してきたことを、
彼女らはこんなにも間近で私に体現して見せてくれる、
それも当たり前のように。
そうして目の前で進化して見せる。
全員が体から気を発散する。
部屋はどんどん暑くなる。
「休憩しよう。」のかけ声とともに、
みんなドアからまろび出て、廊下のじゅうたんの上に長くなった。

この時の練習でそれまでの1ヶ月分ほど上達した、と越智は言う。
そんなことって、でも、あるんだもんなあ。
じゅうたんに頬つけて寝転んだまま、私はホントに幸せだと感じていた。