曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

物道楽の哀しい思い出。

すごいつらかったお話を二つ。

 

大学進学で一人暮らしが決まった時に、

私は中子であまり親から関心を持たれていなかったためか、

母親は一人暮らしを始める私の買い物につきあわず、

代わりに兄が(ああ兄が!)

つきあってくれることになったのでした。

それで親から渡された家具用の少ない金額を持って一緒に大学の生協に出かけることになり、

「これと、これと、これは絶対要るけん買うとけ。」

などと言って、

よくあるスチールの本棚、

張り子の学習机と回る椅子、

例の、天板裏フェルトのコタツ

を私の目の前で私に何の相談もなく買ったのだった。

絶対要ると言われればああそうなのかしらとも思ったけど、

私はこれらが悲しいくらいすべて嫌いで、

買った瞬間からどうやって手放そうかしらと思い始めて卒業のときやっと捨てられた。

あの頃お金もなかったのにあんなものにあんなに遣ってそれもすごくもったいなかった。

でも兄は兄でいいことをしたと思っていたんだと思いますね。

私、あればそれで事足りるなんて思えない性分なんですよね。

気に入ったものでないといやなんじゃー。

こだわり強いんですよね。

いやこんな時は誰でもそうなんじゃないですかね。

 

結婚が決まった時の話。

数年前に亡くなった、私に顔そっくりの叔母ですが、

結婚をとても喜んでくれて、

台所用品などは先輩主婦でないとわからないからと言ってデパートに連れて行かれ、

そう言われるとそんなもんなのかしらともまた思ってしまって、

彼女が選ぶ鍋やら何やらをまた自分の結婚用の予算で大量に買うことになってしまったことでした。

まあ気に入らなかったから「ビタクラフト」なんか買ってそれらを順次捨てていったんだと思う。

叔母にしてみたらまだお金も持っていない若造がそんな彼女の知らないような高い物を買おうと夢見ておるとはつゆも思わなかっただろうし、

それはそれで気持ちは今も感謝しているんですよね。

 

でも悲しい思い出二つでした。

悲しいよね?