曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

「ワッショイ!」と「ソイヤ!」(と松山)。

先日は松山の秋祭り。

聞こえてくる子供ミコシの掛け声は、

大人は「よいさっ!」

子供は「ワッショイ!」

松山の祭りはもともと評判も芳しくないことではあるが、

実はこういうところにも私は残念さを感じている。

 

1980年代頃に何かで読んだことだが、

日本の祭りの掛け声は、

古くは「ワッショイ!」が主流だったが今では「ソイヤ!」「ソウリャ!ソウリャ!」である。

それはリズムでいうと「ワッショイ」の「ショイ」から始める弱起(アウフタクト)、つまり「ショイワッ!ショイワッ!」であって、

時代に連れてテンポが速くなったものが現在の「ソイヤ!ソイヤ!」である、

というのであった、

なんという慧眼、と驚いて私はこの説を今もいたく信じている。

 

窓越しに聞こえる大人の「よいさ!」はもちろん「ソイヤ!」の側であり、

しかし子供らが教えられて発する「ワッショイ!」は古来からの掛け声で、

だからテンポとして子供の声は大人の速さと独立してひどく遅い。

 

伝統というのは目の前の壮年老年のやることを心からカッコいいと認識した次代がそれらを真似ることによってのみ受け継がれていくものだ。

教えずとも素晴らしい祭りであれば子供はそれを真似るのだ。

この伊予国は「東予」「中予」「南予」に分けられるが、

こと祭りに関しては「東予」が図抜けて素晴らしい。

東予」の祭りならばわざわざ教えずとも子供たちは男衆の掛け声を聞いて育って矢も楯もたまらずその中に駆け出して行く。

(祭りでは「ワッショイ!」って言うんだよ、なんて教えない。)

全然違うんだもんな。

松山は住みよい所だけれども。