曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

望んでいる。

朝刊にドキュメンタリー映画「選挙」についての記事が出ていて、
ジェンダーについて久しぶりにもやもやとした。

立候補者本人の、
「妻って呼んじゃいけないらしいんですよ。家内って呼ばないと。」
という言葉。
選挙事務所の女性の、
「演説で奥さんを紹介する時に、『丁寧語の”お”をつけて、”おっかない”んです』、って言うとうけるらしいわよ。」
という言葉。
そして先輩市議の、
「彼はまだ子どもがいないんですが、人間、寝不足で生命の危機を感じているときこそ生殖能力が高いので、少子化ですから、選挙中に子ども一人でも二人でも増やして欲しいと・・・。」
との紹介にどっとわく会場の年配男性たち。

私がなんとなく感じていた、
(ここでは自民党の)政治に関わる年配男性たちに共通した「ある嗜好」を、
この映画(とこの記事)は、材料として淡々と提示している。
私は「ある嗜好」の存在を確認する。
私たちは「こんなこと、ある、ある。」として受け取る。
これは芸術作品としてあるべき姿だと思う。

エッセイはまた趣を異にする。
田辺聖子氏のエッセイに、
「女子ども」に対する概念として「男年より」という造語の出てくるものがあって、
文中、氏は「女子ども」を馬鹿にする「男年より」をこきおろしていた。
こういう表現もある。
材料があって、それに対する意見を述べるという方法。

私はブログを書いているが、
もちろんブログはほとんど後者の部類に入るもので、
しかも短い文章が多い。
あまり考えなくてもすむものを毎日ひょっくり取り出しては浅い考えの感想を付け加える、
それはそれで楽しいけれど、
深く考え、それを受け手に深く考えてほしいから、
選び抜いた材料をあらん限りの表現でそのままに提示する、
そんな芝居を創りたいとも。