曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

観客のために上演するんだ。

副部長Aンドー(♂)の文章です。(「四国高演教だより」に掲載予定。)


12月25日の17時0分、私達の「くじらホテルはほぼ満室2017」の幕が上がった。

去年の四国大会で涙を流してから1年、長いようで短い道のりだった。
何とかセリフを繋いだ地区大会、いっぱいいっぱいで劇を成立させた県大会。四国大会の直前までも頑張れば  頑張るほどこの劇が沈んでいくようだった。
不器用な私達は今前を向いているのかさえわからない。そんな時「何のために上演するんだろう。」この問いにぶつかり、そして救われた気がした。
直前、ほんとに一週間になって私達はどんどん身軽になっていった。

そして本番。
とあるホテルのロビーでみんな何だってできた。
楽しんでいる私達と笑う観客でどこまでも行けた。
私達も誰も知らない、誰も見たことがない、新しく輝き始め、命を持った舞台だった。
「ひとつの劇で世界を変えられる。」その言葉は真実なんだと知った。
笑って、笑って、泣いて、笑って、落ち込んで、笑って、笑って、笑ったあの日々が全て詰まった幸せな上演。こんな幸せ、人生であとどれだけ経験できるんだろう。

世界一幸せな1時間を包み込むように幕が降りていく。
「最後の一息をふりしぼって、新しくはじめることだってできるのだ。」
幕が降りきった瞬間、ふと、台本のこの言葉の意味が分かった気がした。



大会の審査にはがっかりさせられることが多いことだよなあとここに書こうとしていたら、
部長Yからこの文章が送られてきました。
そう言えば本番前の袖で、
部員たちは口々に緊張していないのだと話していました。
Aンドーの声も聞こえました。
「オレはね、『失礼しまーす、郵便局でーす!』って、舞台に出て行くのが楽しみでしかたがない、楽しみでしかたがないよ!」
こんなふうに舞台に飛び出して行ける集団、そんな状態になれたということ、その手伝いができたことを、
私は誇りに思っていいんだし、
こんな幸せを私はいったいどれほど多く経験してこれたことだろう。
そんなことを思い出しました。
いやはや生徒には教えられてばかり、感謝することばかりですよ。