曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

出ようなあ~。(コロナ禍の演劇部。)

開会式の後、

高松工芸高校さん棄権の一報を聞いて震え上がった。

まったく他人事ではなかったからだ。

 

本校でもすでに前日リハーサルの後1名が体調不良、帰宅することが決まっていた。

メインで照明オペレーションを担当する生徒である。

そもそもわれわれはその1週間前にはわけあって大きな役(司会者)を代役に代えざるを得ないという危機に見舞われていた。

推薦で合格した3年男子(『きょう塾』のカズキ)が入ってくれてなんとかこれで乗り越えられるかと思っていたが、

会場に到着してからでさえ、こうも油断はしていられないものなのか。

「こえええええぇ。」

思わず越智と顔を見合わせた。

 

そういうわけで司会役には3年男子が、

照明にはサブの担当生徒が入ってくれることとなり、

だからもう、

ここまで乗り切ってきたのだからあとはなんとか上演できるのではないか、

と信じていた、

信じたかった、その開会式後の昼休み、

森先生からLINEが来た。

それは「キャスト1名が濃厚接触で帰宅」という連絡だった。

 

数日前だかに、

部員たちに「出ようなあ~。」と言ったことであった。

どんなことになっても誰がいなくなっても代役を立てて出ようなあと。

練習中だって、

突然の寒波、大雪で練習に来れない生徒がいればそこに代役が入り、

濃厚接触で出られない生徒がいればまたそこに代役が入り、

JRが止まれば大回りして学校を目指し、

出発前日最後の通し稽古にはみんながぎりぎりで集まって、

そんなふうにただもう練習を続けてきたことだ。

「四国大会出ようなあ~。」と。

 

さて今回出られなくなったキャストの生徒は、出の多い役だ。

本番は、翌日の朝イチ。

時は、前日お昼休みのお弁当の時間である。

本番まで、あと、半日。

できるとしたらこの方法しかない。

司会役を明け渡した生徒がモブとして一緒に来ていたので急遽彼女に代役を依頼した。

「ハイわかりました。」(としか答えようがないよね。)というわけで彼女はそれからセリフ、と、出、と、立ち位置、等々を覚え、

何度かぼそぼそとみんなで繰り返し、

一晩寝てわれわれはそうしてそのまま翌朝一番に!

なんとか無事、上演を終えることができたのでした!!

(しかもいい上演を!!)

出られなかった生徒たちも心は一緒にいたと思う。

 

「首の皮一枚ですね。」

と越智が言う。

 

3位に入賞しました!!!