曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

母よ、父よ。

年末、
みかんに大感激して家に電話したところ、
今度は梅干が送られてきた。のでまた電話した。

「梅干ありがとう!」
「いやいや、お正月に帰って来たら持って帰らせよう思うとったんやけど、ほら、来んから。」
「そうよ、梅干食べたいと思って『紀州の梅干』とか買うても変に甘いんでウチのが一番、」
「ちょっとお父さんに代わろうわい。」
「ああ、お父さんやけどね。」
「ああお父さん?梅干ありがとう、おいしか、」
「あのねえ正月には帰れんかったけどね、手術が終わって、頃合いを見てね、車はアレやけど電車ででもね、帰って来たらええわい、うん。」
「うん、ホントね、お父さんも思ったより元気そ、」
「お母さんに代わろうわい。」
「ほしたら、またいつでもええけん帰って来なはいや。ほしたらね。」
「ああ、うん、ありがとうね。じゃあ、元気、」
「はいはい。(ぶち。)」

あんまり人の話は聞かない人たちなのであった。
私は正月に一度しか帰らないし、
両親はもう70台も後半に入った。
父は胃癌の手術をしてから大男って感じじゃなくなってしまったし、
本当に、年に一度は会っておきたい。

兄弟三人の中で一番にかわいがられてたわけじゃなかったと思う。
無邪気にかわいがられることは私にとっては難しく、
計算ずくでかわいがられようとしてはかわいくないので自然と失敗していたと思う。
(私に子どもがいないのは幸いだ。あんな気持ちをもう一度みせつけられるのはちょっと御免。)
それでも血を分けた子どもとして私のことをこれほど愛しく思ってくれる老夫婦がここにいて、
昨日に続いて泣いてしまいそうになるのだ。