曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

こぼれ話も面白いのだ。

コウカミ・ワークショップでお会いしたばかりの鴻上尚史先生だが、
このほど読売文学賞の戯曲・シナリオ賞を受賞されたそうでめでたい。
何度でも書くけどそんな人なのにもんのすごく気さくで、
ワークショップの休み時間には私や越智にいろいろと話しかけてくださった。

「前に映画を創った時にね、ディレクターから、『鴻上さん、ラストね、想像もつかないような人が出て来て、想像もつかないようなことをして、想像もつかないようなことを言って、想像もつかないようなシーンになりませんかね。』って言われたので、『想像もつきません。』ってお断りしたんだけど、彼にも作品に何かが足りないのはわかったんだね、だからそう言うわけ、でもどうすればいいかはわかってない。今度の映画のディレクターは、すごくいい作品たくさん手がけてる人なんだけど、『鴻上さん、ラスト近くのあのセリフのあの単語がもしかしたら余計なんじゃないですか。』って言ってくれて、考えてみたら、そうなのよ。わかってるんだね。すごい人だよ。(そんな人のアドバイスこそが貴重だね。)」
(ごめんなさい、ディレクターだかプロデューサーだかそのへんわからないです。)

演劇やってるとみんなそうだと思うけど、
いろんな人がよかれと思ってアドバイスをくれる。
でもそれはどう考えても的外れであったり本当のことのようで的外れであったりすることが圧倒的に多いじゃないですか。
そんな時、私も思う。
ああ、何かが足りない(間違っている)ってことだけはこの人にもわかっているんだな、と。
でもその人の才覚がそれほど優れてないんなら、
足りないものが何であるかを探すのはこちら側の仕事だし、
またたとえ優れていても探し物が同じとは限らない。
結局どこまでも自分を信じて進み続けなきゃいけないんで、
これは逆もしかり。
私も年齢上アドバイスしなければならないシーンも多くなってきているからアドバイスはするんだけど、
心してかからなくちゃいけないなと思うんでした。