ゴールデンウィークの前日に戻りたい、
職員室でそんな声が聞こえて私も笑ったけど、
私は戻りたくない。
もう一度戻ったとして、
あれほど仕事することができたか、
そしてあれほど楽しく過ごすことができたか、
きっとできないと思う。
だからもう一度戻りたくはない。
前にも書いたか、両親が私くらいの年だったとき、
母が父に聞いたらしい。
もう一度若い頃に戻りたいかと、
父は答えた、
もうええぜ、と。
もう一度あの苦しい戦後を努力できるか、
もう一度せめてここまで幸せになれるか、
途方もない気持ちになったのだろう。
若くなれるなら誰もが若くなりたいんじゃないのか、
そうじゃないんだな。
私はあの人の子どもだから、
その気持ちはとてもよくわかる。
いきなり仕事の中に飛び込んだ今日、
すでに息も絶え絶えで、
どうやって笑えというんだと思ったけど、
私のゴールデンウィークは宝物だった。
