おとといだったか必死で残業していると、
後ろの席の若い女性教員が突然帰り支度を始めた。
「帰ります。」
「あれ？やることいっぱいあるんじゃなかったの？」
「いいんですもうそれは。だいじょうぶ、明日の私がきっとなんとかしてくれる。」
そう言ってさばさば荷物をまとめて帰って行った。
明日の私がきっとなんとかしてくれる。
名言だなあ。
感心していたその翌日、
それは昨日の放課後のことなんだけど、
彼女はなんでも課題の提出ができていない生徒を呼び出すんだとかで腹を立てていて、
だけどご存じの通り昨日は突然の暴風雪警報発令で生徒は下校することになってしまった。
放送呼び出しはできない慣例、
たぶん会うのはムリだろう。
「明日のあなたがなんとかしてくれるんじゃないですか？」
と言うのも聞かず廊下に出て行った彼女、
しばらくしてなんと彼に会えたのだと帰って来た。
「ちょうどそこの廊下を歩いているところに遭遇したんですよ！」
「すごい偶然ですね。」
「もう神様が、これは今日の私が処理すべきことだとおっしゃったということですよね！」
これは今日の私が処理すべきこと。
繰り出すなあ。
最近の若い人って私なんかよりずっとしっかりしているんですよホントに。
