曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

バーナムの森は動いていない。

現代文の評論の中で「マクベス」に触れるくだりがあって、

それで授業中にふと聞いてみると意外とどのクラスも「マクベス」の筋を知らないのでちょっと驚いた。

「え、あの、三人の醜い魔女たちが『万歳マクベス~、いずれ王になるお方~』っていう、え、ホントに知らないの?」

そこまで話しただけで生徒の目がそれはもうキラキラとしてしまって異常なくらいになってしまった。いつもこんなに知的好奇心に満ち満ちてばかりいるわけではもちろんありません。これはやはりシェイクスピアの作ったエピソードの面白さが桁違いだってことなんだろう(けど年内にこの評論終えたいのに何やってんだ私)。

「いやそれで王を殺して王になってしまうんだけど、最後は敵軍に囲まれてしまうんですね。で、例の醜い魔女たちが、『マクベスが負けることはない~、バーナムの森が動かない限りは~』とかいうんで、」

何十年も国語教えてるけど、恥ずかしながらこれほどまでに全員から続きが知りたい顔をされた記憶もあんまりない。

「で、敵の大軍が木や草をかぶって迫って来るものだから森が動いているように見えるわけですよ、『うろたえるな!私が負けることは決してない!バーナムの森が動かない限りは!』『マクベス様、森が、バーナムの森が動いています!』」

体調も悪い上に授業数が多くて苦しいところ、セリフ思い出し思い出し一人芝居なんぞをするハメに~。

しかし生徒大喜び、ラスト、マクダフがマクベスを殺したところで拍手喝采でありました~。

ホント何やってんだとは思ったけどこれは実にうまくできた話だ。

そして何度も思って来たことなんだけど、

「バーナムの森って、動いてないよね?」