曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

午前中に通し。

本当に久しぶりに「ホット・チョコレート」を観た。
7年前の自分たちの国立劇場でのビデオだ。
DVDにしてもらったので、パソコンで映せるかどうか試してみたのだ。
結局最後まで観てしまった。
ミオ(主人公)がかわいそうで泣いてしまった、んだけど、
みんなの演技自体はボロボロ、というより、ズタズタ、だったので驚いた。
同じ芝居の練習を1年間繰り返して、
何をやっているかわからなくなっていたんだろう。
あり得ない間、それがうまくいかないのでつけたしのセリフを入れてみる、など、自分の演出の拙さに驚いた。
ミオの存在感でなんとかなってたような次第だ。(あとキッコのツッコミはうまいかな。)

今、70年代80年代の歌手がまたもてはやされたりしているのだが、
私は何度も言ってるように小田和正が好きだったのだが、
小田さんは今でも奇跡のように歌がうまい、
でも、昔のアルバムの、
あの言葉のこの文字のこの色、
あの語尾の響き、
ブレスへの移り方、
そんな恋するように惹きつけられる部分というのは今の歌には感じなくて、
それは歌手が若かったとか自分が若かったとかいうことだけではなく、
まさに旬の人間や作品が発する巧まざる部分だったんじゃないかと思う。
そしてそんなものが何より魅力的だったりするんじゃないかと思う。

だからたとえ「ホット・チョコレート」の演出の未熟さに驚いても、
あれはあれで魅力的な芝居だったと思っている。
そして今も、何よりそんな魅力を欲している。
うまい、んじゃなくて、愛しちゃう、みたいな魅力をね。