曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

「みんなもっと私を尊重して。」

私の内面は切り立った崖ですが、
外面は常にきわめて大人しそうで無害な感じを醸し出しているようです。

電車などではよく無意識に相席のパートナーに選ばれます。
いつだったかは、
私が座っている一両全席、二人掛けの片方にだけ着席している、という状態だったのですが、
ある駅でたった一名の乗客が乗り込んできて、
入り口に立って一両全体を見渡すと、
即座に私を発見し、一直線につかつか歩いて私の隣に座り込んで来ました。

私は無個性な上に痩せているので、
物理的にも隣に座るのに邪魔にならないと評価されるのでありましょう。

しかし私だって一人で座る方が快適なので、
何駅かの忍耐の後、
やっと近くの席が空くと、
そちらに移動して一人で座り直しました。
しかしそうした次の駅、
果たしてまたたった一名の乗客が乗り込んでくると、
全席見渡した後私の座席をみつけ、まっすぐこちらに向かってくるではありませんか。

こんなことは私の人生においてよくあることです。
道路工事の交通整理や、祭りの山車の先払いから、
よりによって私の車の前で通行止めの棒を振られる頻度は多分他の人に比べてかなり高い方だと思います。
廊下を歩いていても、
教えてない生徒にはかなりの確率で無視されます。
おじぎぐらいするべきだと思うのですが、
私のたたずまい、存在自体にそうさせる力が備わっていないのかもしれません。
「おそろしなんどもおろかなり。およそあたりをはらつてぞみえたりける。(平家・能登最期)」
という屈強の男性に生まれたかったとは少女の頃からずっと思いつつまさか今でもそう思っているわけではありませんが、
こちらがリラックスしていてもすれ違う人みなが最敬礼するようなオーラがほしいくらいくらいには、
実は今でも考えています。

みんなもっと私を尊重して。