曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

気のよすぎる読書家。

中間考査発表中で、昨日から部活は休み。
越智がずいぶん本を貸してくれて、珍しく漫画もくれたりして、読みたいけど、問題も作らなければならないし、
何より最近小さい字が読みづらい。
「老眼」である。
画数の多い漢字は文脈で判断して読むことになるので読むスピードが落ちるのだが、
どうも私、
黒い(画数の多い)漢字は全部いっぺん『繊維』と認識するようで、
読書中何の脈絡もなく『繊維』が登場してはハッとしてそれからがっくりするのであった。
 
「それは面白いですね!画数の多い漢字の基本の形が『繊維』なんですね!」
越智はそう感心した後で、
それでも私にどうしても読ませたい評論があったらしく、
「僕はこれ読んで世界が何でできてるかわかりましたからね。」
などと言いながら数ページを意欲的に読んで聞かせてくれた。
難しいけど確かに頭が整理される感じ。
しかしこんなのよく娯楽で読むよなあ。
 
そこまではよかったのだがさてこれを感謝したのに気をよくして越智、
「ゴルゴ13」も読んであげましょうと言って聞かない。
「いいよ。目の疲れてない時に自分で読むよ。」
「読んでたら疲れますよ!僕が読んだら一石二鳥じゃないですか!自分は休めて、ゴルゴも読めて!」
「読むんじゃないじゃん。」
「『神に贈られしもの』、『何事だ、いったい!』」
「あの今メール打ってるからさ。」
「終わるまで待ちましょう。」
「読んでほしくないんだよ!」
「『やあ、ダッチェスくん!』」
「わかんないよ!『ダッチェスくん』ってドナルドダックみたいな人?」
「ちっがいますよ!『ダッチェス』はいかつい大男ですよ!FBIの、しかもテロ専門ですよ!?」
「だからわかんないって!」
「声でわかってくださいよ!」
「『ダッッチェスくん!』ってなんかひょろひょろってした声だったよ!」
「だからそれは『ダッチェス』に呼びかけた人ですって!」
「わかんないし後から読みたい!」
「パート2まで読ませてくれたら肩もんであげますよ!1パートにつき肩もみ1回!どうよこれ!?」