曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

どうりで物事を成し遂げられないと思ったよ。

部活は休みだけど職員室に仕事に行った。
転勤して来られた若い男の先生が、
ここのところけっこう長い咳に苦しめられている。
それで、やっぱり川之江の空気のせいかという話になった。

川之江は製紙業で持っている地域だが、
幾本もの大きな煙突から年中吐き出されているあの独特な匂いの煙には全く閉口する。
来た年は、1年すれば匂わなくなる、と聞かされた。(鼻が慣れるらしい。)
1年経っても変わらなかった。
長い人で2、3年かかる、とも聞かされた。
2、3年経っても変わらなかった。
それどころか今年は11年目であるが、
あいも変わらず臭いと思う。
ただ、風向きによっては全く匂わない日も多いので(その時は違う方角の人が迷惑を被っているだけであるが)、
そのあたり窓の開け閉めが賢くなっただけだ。

来た当初は「紙のまち川之江」などという呼び方も胡散臭く、
何に腹を立てていいやらわからないまま、
物分りの悪い人のことを「ケムリで頭やられてんじゃないの!?」などと大声で陰口たたいたりしていた。(川之江出身の先生から「私もケムリで頭やられてんですかね?」とチクっと言われてからは少しく反省して口にしないようにしています。)

今日、進路室に置いてあった五木寛之の「鈍感力」を読んでいたら、
物事を成し遂げたり長生きしたりするためには必ずいい意味での「鈍感力」が必要で、
五感からして良すぎることは百害あって一利なし、と言うことだった。
読めば読むほど自分の視覚、聴覚、嗅覚が無駄に良すぎることに気づかされた。
ああどうりで物事を成し遂げにくいと思ったよ。
隣のエアコンの室外機だとか、
くだんのケムリの匂いだとか、
目の端でちらちら何かが動くとか、
何をしていても気が散って腹が立って集中できないんだものなあ。
ああ物事を成し遂げたり長生きしたりしたいものだよ。