曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

お涅槃。

今日は菩提寺の涅槃会。
「お涅槃」だから、と言われて年休を取って参加したのだが、思ったよりずっと盛大な行事で驚いた。
駐車場も満車、田舎にしてはかなりの人出である。
本堂では僧侶がこの1年に亡くなった人の住所、遺族名、戒名等を延々と読み上げている。
周囲を取り囲む百人を超える善男善女。
その中から名前を呼ばれた縁者が(なぜか)一人あたり500枚もの1円玉をざばーっざばーっと中央座敷へ投げつけるのだ。
座敷はもちろん1円玉の海である。
自分の名前が呼ばれるまで最前列で小さく座って銀色に光る1円玉の海を見ていた。
今度はこちらから、次はあちらから、と、降るように飛ぶ1円玉。
怒ったように投げつける人たちは、まだ亡くなってから日も浅い遺族だろうか、
子どもを連れて笑いながら投げる遺族もまたこの1年を耐えて来た人たちなのだろうか。
それにしても赤ちゃん、小さい子どもというものは、
なんと死に近いこの場所に光をくれるものだろう。
老人は老人でしっくりとこの場に似合って安らかな時間を過ごしている。
あの人はこの地で生まれてこの地で死んだ。
そしてこの地の伝統行事の中で供養される。
流れて行く時の中でそれは当たり前のことなんだろう。そのことをありがたいと思った。