曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

予餞会大成功。

本校予餞会も四度目だけど今まで「舞台班」に関わってこなかったのは関わりたくなかったからです。
どんな出来でも全校で盛り上がれる学校だし、
それはそれで楽しむのがいいんじゃないかなと思っていた。
(セリフ録音芝居だから演劇じゃないし。)
そもそも舞台班始動は11月末なんだからちょうど四国大会の練習と重なる。
こっちは予餞会どころじゃないわけです。
それが今回関わったのは演劇部2年生が3人も幹部に立候補した。(含部長副部長)
それだけならまだ放っておけるが、
今回「演劇部だから」ということでなんと台本をほぼ任されてしまっていた。
それは責任が重すぎるでしょう!
書き上げてきた台本はそりゃ案の定の出来である。
一緒に提出された「ビデオ班」の台本が今年はあり得ないほど素晴らしかったものだからなおさら頭を抱えてしまった。
なんでこんな重大なことを(失敗する可能性の高いことを!)引き受けてしまうんだ!
人がいいにもほどがある!
すべて書き直した方がいいと言う私に、
3人は「どうしても直さなければならないところだけ直させてください」と粘った。
腹を立てながら心の奥で「まだ高校生なのに落としどころを知っている」と思った。
台本は年内に仕上げなければ間に合わないからだ。
「どうしても直さなければならないところ」をアドバイスして手を放した。
手を放したつもりだった。
あにはからんや年が明けてもう一度関わることになってしまった。
ここにも書いたように、
「セリフ録音芝居をやめたい」と言ってきたからである。
学校サイドとしてそれが可能か判断する立場に立たされて、また巻き込まれてしまったのだ。
何度か練習を見ることになった。
さて練習を見ていて思った。
なぜ3人は舞台に立たないのか。
演劇部の3人は演出、舞台監督、照明、音響、裏方を一手に引き受けていたのである。
声の小さい、あの、リズムのついた調子でセリフを歌う、演劇の経験のない友人たちになんでキャストを譲るのか。
見ていてもどかしくてしょうがない。
「あの役だけでもあなたたちが代わったら練習はすぐに進むでしょう?」
「でも〇〇ちゃん、だいぶ声出るようになったんです。」
「そうなんです、最初に比べたらずっと。」
いや私なら自分が出る。
いや私なら、そもそもこんなことを引き受けなかった。
私なら、人が失敗するのを微笑んで見ていた。そんなふうに生きてきたんだ。
本番は素晴らしかった。
マイクが何本も立てられて声を拾ってくれていた。(放送部の先生さすがです。)
私は一番後ろで立ったまま観ていた。
ミュージカルだ。
主役男子四人がセリフから最初の踊りに入ったときの会場のどよめき。
また目の前で行われる丁々発止のやり取りに何度も笑いが巻き起こる。
そうだ。録音じゃこうはいかない。
キレのいい動きに客席のあちこちから拍手が上がった。
女子たちの声も大きくなりバンバン笑いを拾っていく。
3年生も大喜びだ。
それは言いたいことはもちろんたくさんあるけど、
よくもよくも自分たちでここまでのものを創り上げた。
部活の後のわずかな時間を集まって、
早朝は7時から、
昼休みは弁当を食べそこねたりして、
それでも授業中に予習を見て回ればきちんと片を付けていた。
最後に主役の掛け声で1、2年生700人がザッと一斉に立ち上がり、
3年生に「ありがとうございました!」と声を上げる。
大拍手、大成功だ。
なんか涙出てきた。
幕が下りると3人も大泣きしていた。
部活終わりに彼女らに声をかけた。
「君ら、えらい、とうとう裏方で通したな。」
部長がふふんと笑って言った。
「かっこよくないですか?」
かっこいい、君らかっこいいよ。
「うちら最後までライト浴びんかったなー。」
「ライト浴びせてやったわー。(部長は本番ピンスポを担当していたのだ。)」
ああ君たちと、今日の芝居のあそこがよかった、ここがよかったと話したいよ、
でも完全下校の音楽が鳴る。
「さあ、飲みに行こうか。」
「行きたいです~!!!」
そんな感じで帰って行った。
ああ面白かった。
体育館寒かったけど。朝眠かったけど。もう二度とごめんだけどね。