曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

冬眠はしないらしい。

四国の冬は、
四国の人間にとっては、
四国なりに、寒い。

自分の出を待つ間のキャストは、
「キャストだまり」と呼ばれる、練習場の入り口の(トイレ前の)廊下に、
毛布を敷いて身を寄せ合っている。

練習の終わりを告げ(病院に行くのだ)、
「んじゃお先に、お疲れさまー。」と声をかけてキャストだまり通り過ぎると、
「先生、私、冬眠します!」と一人が宣言、
「私も!」「私も!」と数人が名乗りを上げた。

ここ最近の傾向として、
生徒はつまらん自分の事情を逐一私に報告する。
いちいち相手はしていられないから、
「なんじゃそりゃ。」とか適当なことを言いながら、私は階段を駆け下りる。

「春に目が覚めたら、四国大会終わっとるよ。」と誰かが言う。
「えええー!!!」
「そりゃいかんな。」
「冬眠はやめじゃな。」
「寒いなあ。」
階上ではまだ会話が続いていたが、私は記念館を後にした。