曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

演出の仕事。

詩人の仕事はその感情にふさわしい語をみつけることなのだろうが、
みつけた語の中から最もふさわしい語を選ぶのが一番難しい、それこそが詩人の仕事なのだと、
誰かが何かに書いていた。

演出の仕事もそれに似ている。
芝居中の、瞬間瞬間の演技には、無数のバリエーションが考えられる。
才能ある役者が自ら提示しているその演技が真実なのかもしれないし、
いくらそれにハッとしても、
演出している私の頭にある演技の方がさらに瑞々しいかもしれない。
生徒は、生徒だから、私に従ってしまうだろう。
だからこそ、
私は、演劇だとか芸術だとかそんなものの名において、
この脚本に最もふさわしい瞬間を選び続けなければならない。

それが私という人間の日常と、どれほどかけ離れた行為であることか。
私は眠い。
とてつもなく眠くなるのだ。