進学校で主要教科の教員なんてやっていると、
実に部活ナシでちょうどハード、くらいの仕事量だと私は感じている。
それなのに部活をやっている。
それが演劇である。
今は越智くんが手伝ってくれるし、
7年前に体をこわしてからはなるべくなるべく無理をしないようにと注意してはいるのだが、
それでも大会前などどうしても魂を込めて演劇に奉仕しなければならない時が来る。
去年はコロナで文化祭が10月末に延びたのだがそこで無理をして死にそうになり、
11月半ばに県大会で無理をしてまた死にそうになった。
そして12月末の四国大会、
1週間を切ったくらいのある夜中に、
私は無理を承知で台本を見つめていた。
明日までに必ず明日までになんとか目途を立てなければならない。
なぜこんなことをやっているのだろうかとふと思った。
これは、全国大会に行きたいからだろうか?
絶対に違うなと思った。
だって私はこの四国大会を最後に定年退職するつもりでいるんだからな。
(そして4月に徳島の四国大会を終えて以降『もう二度とどこにも出かけなくていい』ことを心から喜んでいたんだからな。)
ではなぜなんだ。
生徒の喜ぶ顔が見たいからだろうか?
それはそうかもしれない。ずっとそう思って生きてきた。
だけど思ったんだそれよりも、
この芝居を本来の形にしたい、少しでもよい舞台にしたい、少しでも、少しでも真実の物語に近づけたい、
突き詰めて言えば私はそう思っているようなのだった。
翌日60分3本勝負の補習授業をしながら、
ああ生きている、思ったよりも死にかけていない、このまま大会まで潰れずに行けるんじゃないか、などと考えていた。
翌々日にはかえってふっと体が軽くなっていた。
ありがたい。ありがたいことだなあ。