曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

夜の記念館。

考査発表中で部活は休みである。
でも思うところがあって一人記念館へ。
いや、文化祭のビデオを観ようと思ったのだ。
自分のテレビデオは記念館に提供しているので。

ビューカムをテレビデオにつないで観ることがおぼつかない私。こう書きながら情けない。
しかたなく、3年部員のIにつなぎ方をメモしておいてくれないかと頼むと、
じゃあ先生の会議の間につないでおきますと言ってくれた。
本当にありがたい。

会議が終わって夕暮れの記念館に入ると3Fに電気がついている。
上ってみると、Iが待っていてくれた。
会議は1時間以上あったのに。
実は泣きたいほど嬉しい。
スイッチの押し方でつまずくなどという可能性もあったし、何より一人の記念館は心細いし。
Iによくよくお礼を言って別れた。

観ているうちに、夜が来た。
秋の日は暮れるのが早い。
考査発表中で運動部の帰るのも早くて、グランドの照明も落ちていて。
真っ暗な中を全部の灯りを落として、鍵を締めて出た。
そう言えば、こんなことって初めてだった。
私は幽霊がこわい。
記念館は何か出るとか言うヤツもいる。
けれどもおそらく、記念館の何者も、私に害をなすことはすまい、
ただそう信じて真っ暗な記念館を後にした。