曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

どんなに愛しているか知らないだろう。2

記念館には演劇部が住みついていて、
通常、
主に3Fでキャストが、
2Fでスタッフが活動する。
さてウチのスタッフは真面目で謙虚。
キャストの練習が終わった後におもむろに3Fに現れて、
照明音響のきっかけ確認やら舞台装置の補強やらを始めるのである。
秋の日はつるべ落とし。
今日も練習が終われば外はとっぷり暮れていて、
折しも地方祭は初日である。
同級生は太鼓台の後を練り歩いてもいる頃だろうに、
電球の傘に半紙を貼ったり古いスポットに灯を入れてみたり、
乗ればたわむホワイトボックスに段ボールを詰め込んだりしているのであった。
私は寂しい。
今が苦しい。
そんなふうに思っていたが、
もしかしたら今という時は本当に幸せな時なのじゃないか。
女の子ばかりだから夜は早く帰らなくちゃだけどね。