曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

気のいい読書家。

越智優は読書家で、
自分が感動した本があると、強引に貸してくれる。
だいぶ以前は、
「〇〇という本、絶対読んでくださいね。」
ぐらいだったのだが、
放っておくと私が本屋にも図書館にも決して行かないということを飲み込んでからは、かなりせっせと貸してくれている。

越智は小説だけでなく、論説、戯曲、ドキュメント、対談、さまざま読む。
論説を貸してくれるのが迷惑である。

貸してくれるものが多様で多量なので、
私としても、全部に感動するわけではない。
というか、滅多に「よかった!」と言わないような気がする。
「どうでしたか?」
「うーん、ふつう、かなあ。」
「そうですかー。」
越智は残念そうである。

逆に、
たまに私が感動した本を紹介すると、
越智はいつの間にかそれを読んでいて、
ほとんど100%、感動してくれている。
こう書いてみると、かなりいいやつである。

これまで越智が貸してくれた本の中で私が最も感動したのは、
トーベ・ヤンソンの「ムーミン」シリーズである。
特に愛してやまないのは、シリーズ最終作「ムーミン谷の11月」。
これについては語りたいことがたくさんある。
大切すぎておいそれとは書けない。

あまりにも気に入ったので何度も繰り返し読んでいると、
越智から、もう返さなくていいですよ、と言われた。
聞けば、もう一そろい買ったという。
私があまり褒めるので、自分も読み返したくなったらしい。
こうして私は、本屋に行かずしてムーミンシリーズすべてを手に入れた。

ムーミンと越智君については、またいつか書くと思う。