曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

字を読む人々。

5限目は図書館で授業。
冬休みに新書を一冊読むという宿題を課すためです。
まずテストを返して、
次に授業の担当班作り、
発表内容打ち合わせ、
それから新書を借りさせる。
けっこうキツキツな計画である。
「冬休みはぁー新書を一冊ぅー、」と広い図書館で声を張り上げて説明するのを生徒は驚くでもなく聞いていて、
「ではぁー今からぁー借りたい本をぉー探しなさいー。」
で、みんな立ち上がって新書コーナーに群がる。
シーンとしているわけではないが騒ぎすぎない。
男子生徒の一人は天井まで届くハシゴに上って上段の新書を手に取っている。
下の生徒に渡してやったりする。
新書なんて読むだけでも大変だと思うんだけどそのうえ感想カード的なものを書かせることになっている。
「先生、三枚書いて来ていいですかー?」
「ええ? いいけど。」
「先生、何冊まで借りられますか?」
「えっと、図書委員に聞いてくれる?」
「やから三冊やって。」
「三冊かー、どれ返そう。」
「全部経済関係なんだね。」
「はい、経済に興味あるんで。」
「じゃあ新書読む機会があってよかったね。」
「はい。」
「気が知れないけどね。」
「(笑っている。)」
「今日借りたのはぁー冬休み明けまで返却しなくていいですからぁー、」と付け足すとみんな嬉しそうにしている。
この学校の生徒は文字から直接に内容を吸収する。