曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

宮沢賢治『告別』より。

本日、クラスの人権劇は大成功だった。
27歳のとき(それは今からちょうど27年前のことだ)、
クラス全員が参加せざるを得ない同和教育HRを創るために、
クラス全員が出演する台本を必死で書いて上演した。
あの時この劇を見た先生から演劇部の顧問になるよう引っ張られて、
そして現在も演劇に携わっている。
だから私にとっては最初に書いた劇、
忘れることのできない作品なのである。
今日それを観ながら一つ思った。
この脚本はとてもよくできている。
初めて書いてこんなものを創るとは、
多分私はあの時「町と村との1万人の中にならおそらく5人はある」くらいの才能は持っていたんだろう。
「けれどもそれらの人のどの人もまたどの人も5年の間にそれをたいていなくすのだ」と賢治は言う。
「生活のためにけづられたり自分でそれをなくすのだ」
「すべての才や力や材といふものは人にとどまるものでない」と。
いかにも私はなくし続けたろう。
しかしそれを後悔しない。
一生懸命生きてきた。
今もその続きを生きる。
あの頃に戻ってもう一度やり直すとしてもまたこんなふうに歩くだろう。
そんな中での小さな幸せの一つだった。今日の劇は。