曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

6月3年引退。

3年生が6月に引退した。
6月前半に1・2・3年合同の校内公演をやった後、
定期考査が始まる前にと、
10日足らずで3年だけの芝居を創って引退公演をしてくれたのだった。

2年の副部長Aが月例報告に「有終の美を飾るとはまさに先輩方のことです!!」と書いていた。
3年F子中心の創作脚本だった。
春ごろから取りかかってはいたと言う。
もちろんこちらは何一つ手伝わず本番で初めて観たのである。
素晴らしかった。
「内輪ネタだから」と観客は部員と保護者に限っていた。
だからほんの20人から30人を前に行われたあの日あの時だけの芝居である。
内輪ネタだからここにもちょっとしか書かないけど(そしてセリフは全然正確でないけど)、
廃業する喫茶店での店員たちの最後の食事会という設定だった。

バイトの一人が「ノダヒロ」と呼ばれる(多分野田ヒロシ的な)大学生で、
これはあれほど男役を嫌がっていた男前元部長(♀)Mが見事に演じていた。
ノダヒロが(「ノダヒロ」って名前だけでも素晴らしいと思う)、
店の最後の掃除をしながら店長F子(これも多分男役)に、
軽い調子で高校時代の演劇部の思い出を語る。
「全国行くつもりでいたんスよねー、でも2位で、じゃあ北海道の春季全国でがんばろうって気持ち切り替えたんスよー、だけどそれ、行かせてくれなかったんスよねー学校金なくてー、」
掃除しながら軽い調子でしゃべるノダヒロ。
視聴覚全員が一つになる。
(「これは私たちのことだ。」)
いつしか芝居は3年間の出来事がキャスト総出の超特急の劇中劇になっていき、
視聴覚は大爆笑の渦、
(いくつかのエピソードは私にはわからなかったけどみんなヒーヒー笑っていたから実際あったことなんだろう)、
さてラストは掃除が終わって店員みんながテーブルに着いて、
一人一人が食前の挨拶をする。
閉店に寄せて語る店員たちの言葉はすべて、
引退に寄せて思う3年部員たちの心なのだ。
うまい。うまくできている。後輩は総泣きに泣いている。ああ有終の美を飾るとはあなたたちのことだ。

新入部員ゼロの翌年入って来たあなたたちは1年の時から3年間中心学年であり続けた。
私はこの学校に来て4年半、
そのうちの大半をあなたたちと過ごしてきたんだ。