曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

四国大会の審査の前に。

すべての芝居が終わるまで、生きた心地もしなかった。
人事を尽くして天命を待つ、
それだけのことが、どうしてこんなに難しいのか。
人事は尽くした、どうしてただ天命を待てない、それは祈りが強すぎるからだ。

あれほど「入賞はない」と言ったのに、
もしかしたら、もしかしたらと思ってしまう。
そのもしかしたらは本当に小さな点に過ぎないのに、
その点以外を耐えることができないなんて、なんて滑稽なんだろう。
「いつ終わっても悔いはなかったと言える練習にしよう。」
そんな姿勢の延長として今ここにいるならば、
どんなふうに待てばいいのか誰か教えてほしかった。

最後の学校の上演が終わり審査を待つ。
私たち以外誰もいないアクトホールの2階ロビーで、
部員たちは声もなくただ時が過ぎるのを耐えていた。
ソファーに座っていられる者は少なかった。
ソファーの陰に腰をおろし、
またある者はソファーに座ってタオルで顔を隠し、
またある者たちは、少し離れた床の上に胎児のようにまるまっていた。

「講評は2階席で一緒に聞こう。みんなにそう伝えて。」
部長をみつけて声をかけた。
この部長でさえ目を閉じて、ロビーの床に正座して、おじぎするようにソファーに額をつけていた。
「はい、はい? あ、わかりました。」
部長はあわてて立ち上がって返事する。
私たちは2階席に移動する。

しかし講評が始まると、
私の心はかえってスーッとほどけていった。
審査員長の言っていることは、概況からすでに正しかった。
2校目、川之江高校への講評、
どこが悪い、と言われるとき、
私は何者も恐れなかった。
恐怖の数は、常に現実より多い。