曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

正しい時を刻む。

今日何がおもしろかったと言って、
それは1年生の授業だった。
実は今年、1クラスだけ、1年生を受け持っているのである。
私ときたら、1年生を教えたのは川之江高校に来てこれまで1回だけなのです。
だからホントに、いったい何年ぶりだろう、こんな小さな(?)子たちを相手にしたのは。

1年生はみんな緊張していて、
本読みを指名しても、どっきーん!!と動揺するのが伝わってくる。
必死で宿題をしてきていて、
漢字テストを相互採点させても、
「先生、この字は○ですか、×ですか?」
なんて手を挙げて真剣に聞いてくる。

さてその本読みであるが、
クラスメイトが読むのを息を止めるようにして聞いていた彼らは、
何人目かに当たった男子が漢字が全く不得意であることに気づいたのだった。
最初クスクス女子から笑いがおこった。
彼の間違え方はとても好感が持てるもので、
大きな声で間違えて、私が聞き返すと別の答えを次々言うのだが、それがさらに間違っていたりするのだった。
そのうち笑いながらも周囲がささやいて教えるようになったが、
「樹木」を「じゅき」と読んだところでこらえきれずに大爆笑になった。

おかげで読みの途中でチャイムが鳴ったが、
起立礼をすませてみると、
案の定、彼の席にみんなが集まり、
「おまえ、天才!」
「面白かった!」
などと口々に笑っているのであった。
彼も「あー、顔が熱い。」なんて笑っている。

彼ら同士もまだクラスメイトに慣れておらず、
さぐりさぐり気の合う友だちを求めている段階なのだ。
そんな中に教員としていられることに、私は深い喜びを感じる。
そうして10年ほどもこんな喜びからはるかに遠い授業をしていたのだなと改めて思う。
3年生を送り出し、
また新たな初々しい者たちを迎え、
1から教えて一緒に成長していくのが教師としての本当のあり方なんじゃないかなと思う。

1年生の教室から帰って来る間中、おかしくておかしくてニコニコしていた。
放課後は部活に行った。
私は正しい時を刻む。