昨日金曜日、
県の数学部会とやらが本校であったらしくて偉っぽい男の先生が廊下にうじゃうじゃいた。
職員室の机で仕事をしていると声をかけられて、
振り返って見上げると、
どこかで見た覚えのある男性教諭が微笑んで立っている。
「あああなたは!」
私は挨拶しようと立ち上がった。
「お久しぶりです。」
「あなたはね、えっと、『さーしよー、さー掃除しよー。』って言ってたえーっと、」
本人さえ覚えてないようなこんなセリフしか出て来ない自分が情けない(けど出て来ないものはしょうがない)。
「えー、あの、数学の、ダンナがお世話になった、」
「そうそう、ご主人にお世話になった!」
「あの、(新居浜)西高の、」
「西高のって先生、もう30年も前ですけどねえ。」
とか言って笑っている。
「えーっとお名前は、」
「さあ誰でしょう!!」
「・・・・・・ごめんわからんわあ。」
とうとう降参。
「〇〇ですよ! 先生!」
「あー〇〇先生! すみません! まあご立派になられて!」
「イエイエ、こんな僕でももう評議員とかになる年になりましてねえ。」
「そーでしたかあ。当時は新採(新規採用教員)でしたよねえ。」
みたいな話をしてなんだかとても懐かしかった。
と言っても実際は一緒に仕事したことはなくて、
朗らかな、自分を慕ってくれる〇〇という新採教員がいるんだ、というエピソードを、テレビの部屋の住人経由でけっこうたくさん聞いていたから覚えていて、
その後何度かお会いしたのでお互い顔も見知っていたという次第である。
もうすぐテレビの部屋の住人の誕生日で、
それを思い出して来校ついでにプレゼントを持って来てくれたのだと言う。
「これけっこうおいしいクッキーなんですよ。誕生日過ぎたら先生が食べていいですからね。」
「あらまあそれはどうもありがとう。」
誕生日がご自身と1日違いだったということで覚えてくれていたのだそうである。
それにしても、あああれは、あの頃は、もう30年も前の日々になるんだね。
最近はともすれば昔の話をすると平気で「40年ほど前はね、」なんて言葉が口をついて出て来るんですよね。
追記:「さーしよー、さー掃除しよー、さー。」というのは、新居浜西高校、当時の生徒会誌に掲載されていたクラス紹介文中の彼(=〇〇先生)のセリフである。なんでも昼休みの終わり、清掃時間が始まると、担任である彼はいつもそう言いながら教室に入って来るのだそうである。テレビの部屋の住人から見せてもらった生徒会誌のその号、私も前年まで同校に勤めていたので多分興味深く何度も読んで、デフォルメされたイラストとともにその微笑ましい彼のセリフをよく覚えていたというわけですね。(名前は忘れていたのにね!)