曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

幸せでよかった。2

何十年か前のある日、

「テレビの部屋の住人」は学校から帰って来ると、

あなたは僕に直してほしいところはあるか、と明るい顔をして聞くのだった。

直してほしいところ? そうだね、玄関の靴を揃えて脱いでほしい、かな?

それだけ?

それだけ、ではなくて、そうだね、

とあと二つくらい何かつけ足したと思う。

すると彼は満を持したように私に尋ねた。

僕はあなたに何を直してほしいと思っていると思う?

あ、そう来るか。

え、何を直してほしいのかな?

彼は大きく息を吸って、

一つもないんだよ、僕は、あなたに直してほしいところは一つもない、すごいでしょう、さっき考えていて、びっくりした。

 

「なんであの子はあんなにあなたのことを好きなのか」と、

姑小姑にため息混じりに言われたことがあったけど、

本当にねえ。

 

そんなこと、思い出した。