曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

四国大会、講評とか発表とか。

審査員長の明神氏は、
ご自分でもおっしゃったとおり、
かなり「厳しめ」の話し方をされる女性でした。
私は審査員の話など自分の血肉にしていこうと謙虚に思う方なので(ホントだよ)、
今の話は具体的にこういうことを指しているんだ、
あの部分はこうではいけなかったんだ、
じゃあどうあるべきだったんだろう、
などと考えながら、メモを取り取り真剣に聞いていました。

私の悪いところは反抗的なところではなくて、
実は従順すぎるところにあるんだろうなとも思う。

今回は講評が先で結果発表が後でした。
講評の段階で、
ウチと、新居浜南さんの1位は、ないんじゃないか、と思われた。
春野高校さんの一人芝居「駆け込み訴え」を評価しておられたので、
発表を待つ間は、ああ、そうなんだ、終わったんだな、と思って、
何度も口を開いてそのことを越智に話しかけようと思いながら、
隣の越智も黙っていて、
私も、何を言っても空々しいだけなのはわかっているんだけれど何か気の利いた冗談でも、
とずっと思い続けたまま、本当に長いこと、ただ黙って座っていました。

ところで、
春野高校さんの一人芝居は、とてもよかったんです。
全国に行きますからみなさんご覧になれるので詳しくは書きませんが、
空舞台の一人芝居、しかも有名なあの作品。
ただユダとして話すだけで1時間私たちをその世界に引き込んでくれた。驚きました。
交流会での制服を着た彼を見て、
こんな生徒だったっけ?と不思議に思ったのは私だけだはなかったでしょう。
舞台上での彼は、大きくて美しくて醜くて三十一歳でした。すごかった。
越智もかなり褒めていた。

明神氏は、1位と決まった春野高校さんに、
「全国で、恥をかいて来てください。」とおっしゃった。
「私も20年前、高校演劇で全国大会に行って恥をかいた、恥をかいて成長してほしい。」とも。
彼はマイクを持ったまま咄嗟に「ハイ」と答えていたけれど、
彼女が20年前恥をかいたからと言って、来年彼が恥をかくとは限らない。
恥なんてかかなくていいんだ。
1時間も一人で観客を魅了し続けなければならないんだ、ユダの彼、どうかとてつもない自信を持って全国に行ってほしい、と私は聞きながら思っていた。