曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

世の中で一番大切なものは何であろうか。(読書感想文3年生選評 H9全校プリント掲載)

 世の中で一番大切なものは何であろうか。

 ある日友人とそういう話をすることがあって、私は思い切って『震える心』であると言おうとしたが、友人が先に答えた。それは『揺れる魂』であると。

 読書感想文とは、その『揺れる魂』がいかに震えたかの記録であろう。一冊の本によって心を揺すぶられる。心が揺れたなら、その感動を表現したいと思うのが心の自然である。このようにして読書感想文は生まれるべきだ。だから私たちは、読書感想文を読む時、あなたたちの心がどんなに震えたかを知りたいと願う。

 時にはあらすじの紹介も必要であろう。その本を読んだ動機も書かれることがあるかもしれない。しかし読書感想文とは本来『震える心』の記録である。自分の心を自分の心の丈に合った文章で表現できる力を蓄えておいてほしい。そして何より表現されるべき心、震える心を持ってほしい。

 特選の堀さんの感想文にはそれがあった。『震える心』は傷つきやすく、また大人になるにつれて鍛錬すらされなければならないものかもしれない。しかし今、敢えてそれを内に抱き、みつめてほしい。『揺れる魂』を守るべき強さをいつか身につけながら。