曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

空手の四国大会。

空手道引率出張。
前日に「なんとか行けそう。」と保健室に報告に行くと、
「行ってもらわんと困るよー。明日はもうパーマの予約入れとるけんねー。」だって。ホントにもうこの人は。
でもこういうの嫌いじゃない。
Y子先生ありがとうございました。
さて空手の出張は空手やってる人ばっかりのホテルに泊まって空手やってる人ばっかり集まってる体育館に集まって空手を観ました。
もう普段見てる人たちと全然違う人の群れの中にあっていろんなことに気づいてほとんど忘れて帰って来た。
たった一人で大会に挑んだI君の力にはなれず、
1回戦で敗退して早々高松を後にした。
ホテルはエレベータに乗れば首から肩にかけての筋肉に特徴のあるその道の若者や指導者がぎっしりで、
「強豪校」のメンバーは顧問を中心にロビーに集まって談笑したりしていて、
たかだかそのくらいのことが一人を引率する私の胸にもこたえるしI君はどうなんだろうとか思っているうちに試合は終わってしまった。
勝てば2泊3日、
負ければ1泊2日、
もちろん負けてほしいでしょうとみんな言ってたけど情というのは移るものでいつか試合を真剣に応援していた。
知ってると思うけど空手には「形(カタ)」と「組手(クミテ)」というものがあって、
I君は「形」の選手だった。
小柄な彼が道着を着けて畳に上がる。
「ジオン!」と叫んで形に入る。
素早い動作に道着の袖がヒュヒュッと鳴る。気合の声が響く。
形が終わると笛と同時に5本の旗が一瞬に揚がってあっと言う間に対戦相手との勝敗が決まる。
自分の帯の色でない色の旗が揚げられる瞬間をどんな気持ちで受け止めるんだろう。
どんな張り詰めた心だろう。
帰りのタクシーの中で、
ついさっきまで受け答えしていたI君は一瞬のうちに眠りに落ちて私を驚かせた。