曽我部マコトの言わせていただきます!

そんなに言いませんけど。

おセンチ。

またぞろ悲しくなって、
これは何のせいかと思っていると、春のせいかと思い当たる。
春は、アレだ、いっぱい人がいなくなったり、そのせいで、なんで自分はここにいるんだろう、とか考えてしまうからかな。
それとも季節の花とか木々とか山とか鳥の声とかのせいなのかしらん。

全校朝礼のとき、
グランドの向こうの山からうぐいすの鳴く声が二度聞こえて、
遠い昔、父親に連れられていった肌寒い山道で聞いたうぐいすの声を思い出していた。
「『ホケキョどり』が鳴きよる。」と父が言ったので笑ってしまった。
こわい父親だったけれどその時は私が笑ったことをとがめず、自分も笑っていた、母も笑った。
あまり寒いのでお弁当は外で食べず車の中で食べた。
車が嫌いな私は外に出たがったけれども許可は下りなかった。
そんな楽しくないドライブを思い出して、でもあれが私が子どもであった頃の家族の最も幸せな時期だったのかなどとも一瞬の間だったけれど思い出していた。
うぐいすがもう一度鳴く。

「したたり止まぬ陽のひかり
 うつうつまはる水ぐるま
 あをぞらに
 越後の山も見ゆるぞ
 さびしいぞ」   室生犀星『さびしき春』

なんだちゃんともう言葉になってるんじゃないか。
言葉を持たない私はこんな気持ちをこれからどうしていくんだろうか。